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journal#3
作り手を巡るwagonaの旅
陶芸家・菊地亨+モデル・香菜子

ふっくらとした甘みが笑みを生む、茨城県笠間市の栗は全国でも有数の名産地。
私たちは、モデルの香菜子さんを車にのせ、秋色のその地へと向かった。

迎えてくれたのは、wagonaの一部を表現する、菊地亨さん。 セルフビルドの自邸の佇まいに馴染む人柄と、気品と冒険心を併せ持つ作品を生み出す陶芸家です。
久しぶりの再会となった二人。
年を重ねて思うモノへの向き合い方から会話はスタートした。
―菊地
ポスターなどの平面なものと、洋服などの立体的なものは、二極に分かれているように思い、 絵なんか買う対象ではなかったのだけど、
生活していく中で、洋服を買うように、最近意識が変わってきました。
日常的になったというか・・・。
―香菜子
より身近になった?
―菊地
例えば、あの大きいポスター、うちじゃ貼れないのは確かなのだけど、
あれを貼れるようなスペースを作りたいなと、
この服着てみたいなという感情は意外とイコールなのかもしれないなって。
―香菜子
作品とかって、自分を引っ張り上げてくれるアイテムかなって思うのです。
ポスターもそうだし、私もその陶器を見て、これが似合う部屋が欲しいなと思う。
作品の出合いや作り手と話すだけでも刺激を受けて、何かそこで生活がちょっとランクアップするように感じています。
―菊地
年を重ねて、今まで好きだったものが好きじゃなくなるとかあるけど、
そこで嘘つかなくていいなって最近思っていて、
素直に自分のちょうどいいを選んでいけたらいいなと思っています。
―香菜子
最近、キョンキョンが50代に向けて、いろんなメッセージを発信されていて、
50代って心と体がぴったり合うからすごく楽しいって言っていて、それ刺さったんですよね。
―菊地
結局、そのなんというか・・・洋服とかブランドのものって、
素材がいいから、長く着られるということは絶対あって、
いい部分と憧れる部分で買っているような感じだったけど。

40代、50代になってくると、値段や素材関係なく、
いいものはいいなって、すごくシンプルに着飾りがなくなった。

僕、「適当」っていう言葉が好きで、
それは、適した部分といういい意味でもあり、ネガティブな印象もある。
適当な人間なりに適したことをしたい。
そういう部分がちょうどいいっていうか、洋服にしてもなんでもそうだけど、
意外と表面的な部分で判断しなくなってきたかもしれない。
有名であろうが、高かろうが、安かろうが関係ない。
―香菜子
若い頃は、ものづくりをしながら、これウケるかなって、
そこばかり結構意識していたけど、
今は作りたいからこれを作るんだって、振り切れるようになりました。
結局、自分が好きなものじゃないと、気持ちが乗らないから、
きっと正しく届かないと思う。
適当というか、どれだけ純粋にものづくりに向き合えるか、素直に自分の気持ちに。
―菊地
応えてあげられるかっていうね。
―香菜子
すごく共通することがたくさん。
―菊地
同じ年ですからね。
―香菜子
同じ年ですから。

ものづくりに向き合う者同志。
同じ時代を生きてきた者同志。

独自の世界観を持つ二人でありながらも、
年を重ねるたびに、互いの今を交換し合える二人の姿が想像できた。

そして、二人は海外へと活動の場を拡げつつある同志となる。

彼等とともに、私たちも世界へ旅立つ未来を見てみたい。
@couento
@kanako.lotaproduct

costume: blouse tops pants

後半では、作陶を通じて生まれた、香菜子さんとwagonaのコラボレーションラインをご紹介します。


最新情報はwagonaインスタグラムアカウントで
@wagona_official


2024.10.04
photo/Taro Oota
text/Miho Akahoshi